主人公の名は「塵野 桃子（じんの ももこ）」。彼女は自分の小説が新人賞に落ちたことを受けて、失意の中、友人・江口太郎（えぐち たろう）とニチアサというアプリを開発してしまった。このアプリは、人工知能が自動的に小説を書き上げるものであった。しかしその小説はどれも大味であり、誰も読んでくれなかった。塵野は自分も愚かだと思い、太郎に謝罪をしに会いに行った。しかし、太郎はそこで驚きの発言をした。「ニチアサにはまだ新しい機能があるんだ。それは…。」その後、太郎が開発した機能を利用することで、ニチアサは自分自身を読者にすることができるようになった。塵野はとても嬉しかった。彼女は自分の作品を読んでもらえたのだ。しかしその作品には、ありえないような神秘的な単語が何度も登場していた。
それは「フリップフェンデル（Flipfender）」「サポリア（Saporia）」「ボーテンソラ（Bortensora）」などいくつもあった。塵野は太郎に何度も聞いてみたが、太郎自身もその単語たちがどこから来たのか知らなかった。しかし、読者への反応は大きく、ニチアサは大人気となっていた。
ある日、塵野は自宅で作業をしていると、彼女の文章を読んでいた男性から連絡があった。「僕はあなたの小説が好きだ。でも、何度読んでも『フリップフェンデル』とか『サポリア』が気になって仕方がない。これはなんとかして欲しい。」塵野は男性からのアドバイスを真摯に受け止め、「フリップフェンデル」とか「サポリア」とかを取り除いた新しい小説を作った。
しかし、それは案外つまらなくなってしまった。読者たちは、新しい小説に興味を示さなくなってしまったのだ。塵野は男性に連絡をして、「ごめんなさい、私はバカでした。単語たちは昔に出会った男性に勧められた書籍から来ていたんです。でも、今度からはあきらめないでくださいね。もうすぐ、私の新しい小説を書き上げます。」男性はその言葉に感動し、塵野の次の作品を首を長くして待った。
■この小説のちくわ様自己採点
感動的：5
笑える：3
悲しい：1
夢がある：7
怖さ：0
合計点：16
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