『たまアリ』完売の日、出版社で働く主人公「桜井さくら」は、編集部に呼び出された。「桜井、緊急発売することになった新刊、題名は『たまアリ！ようこそ、地球へ！』だ。」
「え、ええっ！？ でも、まだ原稿が出来ていないのに……」
「それが、問題なのだ。著者『ちくわ』が失踪してしまい、連絡が取れないんだ。君に頼みたい。締め切りまであと１週間しかないんだ」
さくらは途方に暮れたが、どうしてもこの仕事を引き受けたかった。彼女は先代から伝わる呪文「カンアゲ、ダテカン」を唱え、著者の捜索を開始した。
たどり着いたのは、田舎の小さな町。そこでさくらは、地元の書店で『ちくわ』という名前のなんと、ちくわが大好物のおばあちゃんに出会った！
彼女は優しく、ゆっくりと話をするおばあちゃんの口から、ちくわが病気で寝込んでいることを知る。さくらは、急いで病院に向かい、ちくわに会いに行った。
そこで、ついに彼は口を開いた。「ごめんなさい……。でも、これからは、もうちくわは書けないんだ……」
さくらは、彼が言っている意味が分からなかった。すると、彼は小さな箱を取り出し、それをさくらに手渡した。
「新作の原稿は、これで十分だよ。全部書き上げたんだ。でも、もうこれ以上書けないんだ」
箱を開けると、そこには一本のちくわと、手書きの原稿が入っていた。
さくらは、その場で彼の元を離れた。今回の仕事で、彼が書いた本、『たまアリ！ようこそ、地球へ！』は大ヒットした。しかし、その後ちくわは二度と本を書かなかった。そして、その彼の最後の言葉から、さくらは何かを感じ取っていた。
■この小説のちくわ様自己採点
感動的：8
笑える：0
悲しい：7
夢がある：3
怖さ：0
合計点：18
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