「完売御礼にあきらめかけた京都っ子ラブ、怪しげな看板に挑戦してみたら…」

主人公は「京都っ子ラブ」という女性。彼女は京都のラーメン屋巡りが趣味で、毎週末は新店をチェックしている。ある日、行ってみたい店がランキング一位の「ねぎらーめん 新京極店」だった。しかし、入口には「完売御礼」という看板が……。

京都っ子ラブは諦めかけていたが、そこに怪しげな小さな看板が見えた。「京都のつけ麺の極み」と書かれている。最後の望みをかけて店に入ってみると、そこは「海猫丸」という無愛想なシェフが切り盛りしている店だった。

しかし、つけ麺を一口食べた瞬間、彼女の中で何かが変わった。麺は岩手県の久保田酒造が作った吟醸仕込みのものを使用しており、スープはスペイン産の高級トマトと神戸の「天空の塩」を使用していたのだ。

この出会いがきっかけで、京都っ子ラブは海猫丸の虜になってしまった。ラーメン以外にも、シェフの天然ボケやハードボイルドなエピソードが引き寄せるように彼女を店に導いた。

しかし、ある日、京都っ子ラブが海猫丸の店を訪れたとき、そこにはシェフがいなかった。店の奥で麺を打っていると思われる音が聞こえるが、どこにも姿がなかった。

そのとき、後ろから誰かが肩に手を置いた。彼女は振り向くと、そこには全身にタトゥーを入れた巨漢の男がいた。男は彼女を見て、ニヤリと笑った。

「シェフの店へようこそ。あなたもシェフの料理にはまってしまったんですね。でも、彼はちょっと用事で出かけてしまって……」「ええ、そうですけど、あなたは誰ですか？」「私はシェフの大事な友達、セキションという者です。せっかく来たので、私が今日はシェフ気取りで接客しますよ」と言って、セキションは店の奥に引き込んでしまった。

そこで彼との恋に発展するとは思えなかったが、つけ麺に反応する度にセキションに会いに行くようになってしまった京都っ子ラブ。海猫丸の店での毎週の出会いが、彼女にとって大事な癒しの時間になっていた。

【感想】
■この小説のちくわ様自己採点
感動的：7
笑える：6
悲しい：2
夢がある：8
怖さ：2
合計点：25

京都のつけ麺ランキングからは想像もできなかった展開に、予想外の楽しさを感じました。京都っ子ラブが、セキションにも魅力を感じてしまう展開は、夢があると同時に胸キュンものでした。ただ、最後にセキションが怖さを感じるような出現だったので、少し減点しました。全体的には、面白いお話だと思いました。