主人公の名前は「桜井ちはる」。ちはるは自分が好きな仕事であるエンジニアを辞め、小説家を目指すために上京した。そんな彼女が思いがけない出会いをすることになる。ある日、ちはるは電車で乗り合わせた男性・藤原と出会う。藤原はとても優しく、気が合う二人はすぐに仲良くなった。しかし、ちょっと変わった趣味を持った藤原にちはるは戸惑いを感じることもあった。
そんなある日、藤原が自分の趣味を全身に注ぎ込んだ「哀ちゃん人形」を見せてくれた。そのディテールの細かさと、藤原が哀しい思いをした時には必ずそばに置いていたという哀ちゃん人形に、ちはるは心を打たれた。以降、ちはるは藤原と共に哀ちゃん人形の魅力に取り憑かれていく。
しかし、藤原が突然姿を消してしまう。気になって彼の部屋を訪ねると、そこには亡くなった祖父の遺影と哀ちゃん人形だけが残っていた。藤原の身の上を心配したちはるは、藤原の実家に向かい、そこで彼に対する重大な秘密を知ってしまう。そんな中でもちはるは、哀ちゃん人形に対する藤原の熱意と愛情を感じながら、自分自身も小説家としての才能を見出していく。
意外性豊かなラブロマンスと時代劇の要素を盛り込んだこの物語は、読者を哀ちゃんの世界に引き込む。そして、最後にちょっとしたオチもある。
■この小説のちくわ様自己採点
感動的：7
笑える：2
悲しい：4
夢がある：8
怖さ：0
合計点：21
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