「雄星の約束」主人公、岩田三郎は、球界で一世風靡した菊池雄星の大ファン。中学時代から応援しており、今でも彼の動向を追いかけていた。そんなある日、三郎は偶然菊池雄星本人に会うことができた。驚きと感激で身動きが取れなかった三郎だったが、雄星から「また明日、ここで会おう」と約束をされ、その場を去った。
三郎は、一晩中うとうとと眠れず、翌日、早起きして再び待ち合わせ場所に向かった。そこで三郎は、雄星とともにバッティングセンターに行くことになり、雄星の特別指導を受けることができた。三郎は、雄星に教わった打ち方を練習し、その日一日が過ぎていった。
しかし、三郎には秘密があった。実は、三郎は末期のガンを患っており、余命僅かと告げられていた。だが、三郎は明日も打ちに行くと誓い、雄星にもそのことは言えず、自分に残された時間を短いながらも充実させることに決めた。
数日後、三郎は亡くなった。しかし、彼の手元には、自宅の冷蔵庫にある特製野菜串揚げのレシピのメモと、雄星に宛てた短い手紙が残されていた。手紙には、「約束を守って、一緒に五打席やりたかった。でも、三打席で疲れた」という内容が記されていた。
雄星は、メモと手紙を見て深く感動し、三郎との約束を果たすため、毎年そのメモに書かれたレシピを作りながら、野球選手としての活動を続けていった。
■この小説のちくわ様自己採点 感動的：10 笑える：0 悲しい：8 夢がある：8 怖さ：0. 合計点：26
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