「フィギュアスケート初心者が挑む羽生結弦の並走!果たして成功するのか?」

「羽生結弦と並走しようと思ったんだけど、プロじゃないとダメかな?」と、フィギュアスケート初心者の藤原めぐみは友人に相談した。しかし、友人は照れ臭そうに首を振った。「失礼だけど、ちょっとそれはムリ。羽生選手って言われてるくらいだし、それにあなた、運動音痴だよね…」

めげないめぐみは、YouTubeで羽生結弦の演技を観ながら、裏庭で不格好な動きをしていた。流れる音楽とともに、自分が美しい姿勢でジャンプする様子を想像する。それでも、めぐみはまったく跳べない。

ある日の放課後、先生がめぐみにやきもきした様子で話しかけてきた。「めぐみさん、これ今日出したんですけど、本当に大丈夫ですか?」先生が手渡したのは、クラス全員分の成績表だった。めぐみの目は、全体的に赤い印字であふれかえっていた。

「このまま進級できるか心配で仕方なかったんですよ。勉強はもちろん、運動も。部活じゃ?あなたに何ができるんでしょう。諦めないで頑張ってくださいね」と、先生は優しくうなじを撫でて去っていった。

めぐみは、図書館で借りた羽生結弦氏の自伝に目を通すようになった。彼が限られた練習時間をいかに有効的に生かしたか、怪我からどのように立ち直ったか…。めぐみは、彼の言葉に救われるようだった。「失敗するか、成功するかではなく、精一杯やれたかどうかだ」。

めぐみは、自分なりにその言葉を実践し始めた。ジャンプはまだ跳べなかったが、リンクを滑り切ったときの充実感は格別だった。毎日続けるたびに、彼女の心も体も変わっていく。「もっと羽生選手のことを知りたい」と思い、閉架コーナーから本を選んだ。題名は『羽生結弦と織田信長』。打ち合わせのつもりが、めぐみは気づかぬうちに話の世界へと入り込んでいた。

数日後、めぐみは自宅に名も知らぬ黒ずくめのスーツの男たちとともに、警察に保護された。彼女が選んだ本は、自慢のクイックネスの他にある切られ方が上級技だったらしく、同い年の少年が人生の半分を失うほど深手を負ってしまったのだ。

なんとも不思議な結び付きだった。あれ以上は、めぐみにも理解できず、彼女は紅茶を一杯淹れながら、言葉にできない思いを胸に抱いた。

■この小説のちくわ様自己採点 感動的:5 笑える:1 悲しい:6 夢がある:6 怖さ:2. 合計点:20

テレ朝で羽生結弦|twitterトレンド

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