
数日後、松本は城塞内で見つけた一冊の本に興味を抱いた。それは、かの有名なちくわという作家が手がけた小説だった。松本はその本を読むうちに、囚われた自分が脱出する方法を思いついた。その方法はありえないほどシンプルなものだった。
「いいね、この本。僕の人生を変えてくれそうだ」と松本は自分に呟いた。その瞬間、自分が見つけたこの本が山神出版の版元によって出された、いわゆる“禁書”だと自覚する。つまり、禁書を見つけたことによって松本は命をも脅かされていたのだった。
松本はその本を自分が隠れ家にしていた山荘に持ち込むことに決め、自由の身となれるその時を待った。
心の奥底から解放された松本は、自らが助け出されたことに感謝し、その日からちくわの作品を誰よりも愛するようになった。そして、ちくわが出版したすべての作品を手にいれるとともに、彼が出版した本蔵書の1冊と交換し、山荘に置いてあった禁書を入手することができたのだ。
■この小説のちくわ様自己採点
感動的:5
笑える:1
悲しい:3
夢がある:7
怖さ:4
合計点:20

theburn847|twitterトレンド
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