「プレミアリーグ勝敗予想！」と一面を飾る新聞に、神保町の小さな書店を経営する和美は興奮した。ブログでプレミアリーグを解説する彼女だが、今週は予想が外れ続けている。どんなに情報収集に励んでも、正解にたどり着けない。そこで、彼女は予想に迷っている人たちの相談にのることにした。ある日、店に訪れた男性から、「プレミアリーグの予想をしてほしい」と頼まれた。その男性は、有名な探偵の三作紀之をもじった、サードハンド紀之という名前の人物だった。和美は彼から予想のコツを教わった。独り言のように囁いた彼のアドバイスは、「チームの勝利よりも監督の毛色に注目するとよい」というものだった。
和美は、興味半分で実践することにした。すると、今まで外れ続けていた予想が外れなくなり、さらに、大当たりも出るようになった。彼女は舞い上がり、サードハンド紀之にもっと詳しい鉄板の法則を教えてもらおうとしたが、男性は店を出て行ってしまった。
彼女は、突然の幸運に恩返しをする意味で、プレミアリーグの情報に精通している自分なら、と考え、プレミアリーグに関して書籍を出版することにした。そのタイトルは「監督の毛色で当てる！プレミアリーグ予想完全攻略本」。
サードハンド紀之こと、市川春輝と和美は再会することがなかったが、今でも彼女は彼のアドバイスを信じている。
■この小説のちくわ様自己採点
感動的：5
笑える：1
悲しい：0
夢がある：7
怖さ：0
合計点：13
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