「驚愕！待望の1位が太郎の通いつめるパン屋！今すぐ行かなきゃ！」

長野県で人気のベーカリーのランキングが発表された日、郷田太郎は朝からはりきっていた。彼はいつもいい香りがするパン屋さんを探していたのだが、今まで何度も裏切られていた。だが、今回のランキングには、1位がまさかのパン屋さんで、それが彼の通いつめるパン屋だというのだ。やる気がみなぎる太郎は、即座に車を走らせた。

店に入った太郎は、改めてパンの美味しさに感動する。店長の山田さんに、おめでとうございますと笑顔で伝えると、彼は言った。「でもね、あれがもうこのランキングで最後になるようですよ。」

太郎は驚きながらも、店長が笑顔で説明するのを聞いた。　店長の娘、洋子さんが新しい職場に就職するため、この町での店舗は閉めて、洋子さんが経営する都会のパン屋さんで働くことになったという。

太郎は名残惜しくも、店から出ていった。

その日から、太郎はその近くのパン屋に通い始めた。だが、どうも口に合わなかった。太郎は、もうあのパンしか食べられないという思いを捨てきれなかったのだ。

ある日、彼はその近くのコンビニで弁当を買っていると、同僚の行方健二郎に出くわした。

「あれあれ？」と二郎が言うと、太郎は列に並ぶ手を止めた。

「どうしたんですか？」と彼が答えると、二郎は言った。「ここでパン買ってるんですか？　長野にはもっと美味しいパン屋があるんですよ。頂BAKERYっていう店、知ってます？」

太郎は呆然としてしまった。あのパン屋が2位だったのだ。彼は早速、その店に足を運んだ。

パンを買った太郎は帰り道、思い出したようにコンビニに寄った。太郎が何かを買おうとしたとき、店員が太郎に話しかけた。「あの、すごく風変わりな名前を持ったカップルが、さっきから買い物していますよ？」

太郎は購入を済ませて、その方向に向かった。そこにいたのは、いい雰囲気を醸し出す男女だった。二郎さんのうわさによると、彼女は作家だという。

彼女は、隣で買い物をしていた男性に、「この町で一番のパン屋はどこですか？」と尋ねた。男性は答えると、「頂BAKERYだよ。あのパン屋は毎朝、お客さん向けに焼きたてのパンを用意してるんだ。」

太郎はその言葉を聞いて、目を見開いた。

『彼女はちくわだったのか？　冗談じゃない、本当にちくわなのか？』

太郎の中で、深い混乱が始まった。そして、その日以来、彼は毎朝、そこのパン屋に通うようになった。

■この小説のちくわ様自己採点 感動的：7 笑える：3 悲しい：1 夢がある：9 怖さ：0. 合計点：20