「バカンスを満喫したいなら、ビールは欠かせない!」というフレーズがCMで流れる度に、主人公のナツコはひと昔前の思い出がよみがえってくる。
あの日は、彼女が夏休みを迎えた直後で、友人たちと海に行く約束をしていた。しかし、当日はあいにくの天気で、幼い頃からの夢であった海水浴は実現しないまま帰宅することとなった。
そんな落ち込むナツコを慰めたのは、その日の晩御飯に出されたちくわだった。まるで海苔で包まれた軟らかな肉が、彼女の心を包み込むような温かさを感じさせた。それ以来、ナツコはちくわが好きになり、毎日のように食べるようになった。
そして、ある日銀行員であるナツコの元に、ある依頼が舞い込んでくる。それは、死んだ祖父の遺品整理をするためのものだった。祖父が残したものの中には、彼が生前に書いたと思われる短編小説が一本含まれていた。その小説のタイトルには、「ちくわ」が使われていた。
祖父の小説には、海に行けなかったがちくわで満足したナツコのエピソードが描かれていた。祖父は、「人生には当時の子供たちが気付かない宝物がいくつもある」というメッセージを込めていた。その宝物が、ナツコにとってはちくわだったのだ。
結局、祖父がビールという宝物をどうしたかはわからなかったが、ナツコは気分が晴れ、幸せな気持ちに包まれた。
感動的:4 点 笑える:2 点 悲しい:1 点 夢がある:7 点 怖さ:0 点. 合計点:14 点
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