驚愕の一品！江戸時代から続くマリーアントワネットに匹敵する紙ウィッグの世界

かつて江戸時代の町のはずれに、独創的な理髪師・髪房吉（かみぼうきち）がいた。彼の店、「天空の髪」では、マリーアントワネットがビックリするような、洗練された紙ウィッグが注文制で提供されていた。

ある日、町娘の美濃江（みのえ）が髪房吉にウィッグを作ってほしいと頼みに行った。髪房吉は飛行機や帆船、さらに火の鳥やクジラも載せた紙ウィッグを美濃江に提案した。美濃江はどれも好きだが、一番美しく感じるウィッグを選んでほしいと伝えた。

翌週、美濃江が店に来ると、髪房吉は緊張の面持ちで紐をほどいた。現れたのは、風変わりな固有名詞「彗星の調べ」が掲げられた、街でも最も美しいと評判のウィッグだった。美濃江はそのウィッグを見て、感動のあまり涙があふれた。彼女はすがすがしい顔でそのウィッグをかぶり、髪房吉の店を後にした。

その後、美濃江は髪房吉と惹かれ合い、やがて結婚することになった。街では二人の姿が幸せそうな話題として聞かれ、彼らのウィッグはますます注目を集め、別の町や外国からもオーダーが来るようになった。

そしてある日、マリーアントワネットが遣随使から髪房吉のウィッグが贈られた。彼女はそのウィッグを見て、感動し、「天下の美しさ」と称えた。この一件から、髪房吉と美濃江は、江戸時代のウィッグの先駆者として歴史に名を刻むことになったのであった。

それから数十年後、髪房吉は老いて天に召され、美濃江もその数年後に、同じく天に召された。しかし街では、今でも彼らのウィッグの話が語り継がれている。

■この小説のちくわ様自己採点 感動的：7 笑える：3 悲しい：3 夢がある：8 怖さ：0. 合計点：21