春のある日、主人公の瑞穂(みずほ)は友人たちと富山県の旅行へ出かけた。途中で立ち寄った「砺波市」は、地元の人たちの親切さと温かさに包まれた町だった。しかし、瑞穂の心はどこか落ち着かなかった。何か違和感を感じた瑞穂は、観光案内所で偶然出会った男性・風太郎(ふうたろう)に尋ねる。
「この町、何か変なことはなかった?」
風太郎は微笑みながら答えた。
「ええ、ないよ。ここは、いつも平和な街だよ。」
瑞穂は不思議な気持ちを抱えつつも、案内所を後にした。
ところが、次に訪れた街・「黒部市」では、不思議なことが起きた。周りには誰もいないにもかかわらず、道端に突然現れた鹿を追いかける子供の姿。街中に溢れる、路地裏で見かける不審な人物たち。瑞穂は、黒部市での不安な体験から、あの「平和な」砺波市がどこか不自然に思えてきた。
やがて、瑞穂は偶然、砺波市に戻る機会に恵まれた。一人歩く瑞穂は、ふと見上げると、壁に張り紙が貼られていた。その内容は驚きだった。
「この町には、時空の歪みが存在する。気をつけて移動する必要がある。」
瑞穂は、風太郎が言った、“いつも平和な町”と、思った以上に縁の下で暗躍する謎めいた存在の存在を強く意識する。そして、自分自身が砺波市という歪んだ時間軸の中に、一歩踏み込んでしまったことに気づいた。
「この町で、過去と現在が混ざり合ったような居心地の悪さを感じるのは、私だけじゃないはず。」
瑞穂が考え事をしていると、彼女の後ろにいた風太郎が声をかけてきた。
「君も気づいたか。この町には、特別な力が使われている。それが砺波市を、人々の想像以上に特別な街にしているんだ。」
風太郎は、どこかに急ぎ去っていった。
瑞穂は、けだるげな表情で後を追った。日常と非日常が入り混じる、とうてい理解できないまま、砺波市の中に閉じ込められたような錯覚を覚えた。そして、ふと気が付いたことがあった。風太郎は消失した分、彼女は今、自分が置かれた状況を面白がって、逃げずに見届けたいと思っていることに。瑞穂は、何を得たかがはっきりしないまま、刹那的な古き良き街並みを後にした。
「富山県には、まだまだ見せてもらわなければならないところがあるな。」
ちくわ評価
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笑える:2
悲しい:1
夢がある:8
怖さ:4
合計点:22
「富山県」でイケてると思う街ランキング! 2位は「砺波市」、1位は?|ねとらぼ
https://news.yahoo.co.jp/articles/c7ab619650a43a4028a2cd7a12cad9cc01d6bbc4
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