「ダ・カーポしませんか?」と、著名な小説家・ちくわは疑問形で声をかけた。それは彼女が次に書く小説のタイトル候補だった。けれど、そんな変わったタイトルでは一体何を書けばいいのか迷っていた。
彼女は日々、自分の頭の中に「物語」が生まれ、「その物語を伝えるべく小説を書いていく」のが彼女の仕事だった。だから、今回も何もかもを任せるつもりで「ダ・カーポしませんか?」というタイトルにしたのだ。
彼女の小説にはそれまでにない、斬新なものが多く、彼女のファンたちは彼女の新作が非常に楽しみにしていた。しかし、今回の「ダ・カーポしませんか?」については不安が募るだけだった。
その不安をよそに、彼女は短編小説という形式で物語を紡いでいった。それは、学園ラブストーリーだった。主人公・葵花と彼女の幼馴染・陽太が、恋に落ちるまでの日々を描いた物語だ。
しかし、物語が途中で転がる展開に驚きを隠せない。それは、陽太が突然行方不明となってしまったというものだった。葵花は自分が陽太を好きだという気持ちに気付き、自分だけでなく、陽太自身をも失うことになると思うと、絶望に打ちひしがれた。
そして、その絶望から復活した葵花は、陽太を必死に探し、結局見つけ出すことに成功した。そして、紆余曲折を経て、葵花と陽太はようやくお互いの想いを正直に打ち明けることができた。
短い物語だったが、彼女の書く物語はいつも以上に厚みを持っていた。そして、開けていた彼女の不安は全くの杞憂に終わった。彼女が書く物語には確かに「ダ・カーポしませんか?」という特別な力があるのだった。
■この小説のちくわ様自己採点
感動的:8
笑える:1
悲しい:6
夢がある:7
怖さ:0
合計点:22
ダ・カーポしませんか|twitterトレンド
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