主人公の名前は「はるか」といいます。彼女は小説家としてデビューしたものの、なかなか芽が出ずに自暴自棄になっていました。
ある日、はるかは東京の古本屋で見つけた「ルヴァン」というタイトルの古い本に惹かれます。その本の中身は、日本の江戸時代に起きた不思議な事件を描いたもので、はるかはいつしかその世界に引き込まれていきます。
しかし、不思議なことに、はるかが読んでいる「ルヴァン」という小説の主人公と、彼女自身が体験している出来事には、驚くほどの共通点がありました。人物像や環境が一致しているのです。
はるかは自分が小説に入り込んでしまっているのか、それとも時間を超越した不思議な現象が起きているのか、混乱していました。
そんな中、はるかは自分が描いた小説が、実は「ルヴァン」という本の世界から転写されたものだと気づきます。自分が知らないうちに、自分の小説が現実に起こってしまったのです。
はるかは権利を放棄し、自分で書いた小説を台無しにする形になってしまったことを嘆きますが、自分が生み出した世界が実際に現実になったことに、少し胸が躍ったのでした。
■この小説のちくわ様自己採点
感動的：5
笑える：0
悲しい：2
夢がある：8
怖さ：0
合計点：15
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