『それパク』主人公の名前は徳山サクラという。彼女は、自分が作った小説が盗作された経験がある。しかし、その作品は出版社から大成功を収め、彼女はその後も鮮やかな作品を次々に生み出していた。ある日、彼女は同じジャンルの作品を読んでいると、まるで自分の小説と同じストーリーが展開されていることを発見した。
どうしてそんなことが起こるのかと不信感を抱きながら、彼女はその作品の著者を調べ上げた。すると、相手は自分が小説を書く前から存在する、ちくわという名の人気作家だった。彼女が盗作されたときと同じように、誰もがちくわのファンで、批判することができなかった。しかし、徳山サクラはそれを許せなかった。
彼女は自分の小説とちくわの小説を読み比べ、鮮明に2つの作品が同じ物語を描いていることに気付いた。そして、思い切ってちくわに直接問いただした。
「私の作品をパクってるでしょう？」
ちょっと変わり者のちくわは笑って答えた。
「そもそも、それは“二次創作”というものだよ。」
サクラは、そんな言い訳で済むとは思っていなかった。が、題材を取り合うことがあるのは、同業他社でよくあることだろう。徳山サクラは、反論することができずにいた。
すると、ちくわはこう続けた。
「でも、その題材を自分たちなりの解釈で描くことが大事なの。あなたの小説と私の小説、両方共に読ませてもらって、私はあなたが書いたストーリーの新しい可能性に気づいたんだよ。」
徳山サクラは、こう言われてみれば……と、口を噛んだ。自分の作品以上に感動を覚え、自分の作品を書いた時とは違う視点で物事を見ることができた。
「ありがとう、ちくわさん。」
徳山サクラは、得た感動と思い出を結晶にし、自らの小説を磨き上げた。
■この小説のちくわ様自己採点 感動的：8 笑える：2 悲しい：1 夢がある：7 怖さ：0. 合計点：18
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