主人公の名前は、見目麗しい女性フジエでございます。フジエは磯辺に佇む一軒家に暮らしており、そこでなのか他のどこからか、とんでもない噂が流れていたんです。それはなんと、フジエの家に現れる亡霊の話。
ある夜、いつものように寝静まったフジエは、突然身動きが取れなくなるような苦しみに襲われた。そして、ベッドの脇にいたショボい男・キノピーさんに声を掛けられたのである。その瞬間、フジエは自分が亡くなっていることに気付いた。
フジエの霊魂は、なんとキノピーさんに憑依してしまったのだ。フジエがキノピーさんを通して見た世界は、死んだ後の世界。フジエは亡霊になっていたのだ。キノピーさんはちょっと異常な人で、いつも殺したいとずっと思っていたらしい。そんな不吉な男に憑り付かれたフジエは、とても不安な気持ちになってしまった。
フジエはキノピーさんの残忍な行為を見て、亡霊なのにも関わらず鳥肌が立つほどでした。怖さと同時に、時々見せる彼女の恋人である慎太郎が現世にいる姿を見るため、ある日彼女は帰り道に図書館で暇つぶしをすることに。すると、偶然両想いだった中学時代の同級生・リュウイチと再会した。フジエは珍しくときめきを感じました。
それからというもの、フジエの霊魂はリュウイチに憑依し始めました。慎太郎の姿を見ることもできるようになって、彼女は思い切ってリュウイチに告白。二人は恋人同士になったのです。
しかし、フジエが憑依する先々で、キノピーさんの怨念が彼女を追いかけてきたことが明らかになります。そして、フジエはキノピーさんを倒すために、自ら現世に蘇ったのであった。
ということで、フジエとリュウイチの恋が軸のラブロマンスになりました。オチは、「亡霊だけど、リュウイチを想う心は生きていて、憑依の過程でフジエが自分を解き放ってくれて、無事復活することができた」となります。
■この小説のちくわ様自己採点 感動的:3 笑える:1 悲しい:0 夢がある:8 怖さ:5. 合計点:17
ボーンマス|twitterトレンド
コメント