「秋田の絶品焼肉店はココだ！私が食べてみた結果は？」

秋田県で人気の焼肉店を巡る旅をしていた、主人公の山本 陽子（やまもと ようこ）は、ある晩、東成沢にある「チャーハン専門店 七色虹」で汲み出し豆腐のチャーハンを頬張っていた。店内にピアノの音色が響き渡り、まるで昭和の喫茶店のようだった。

「すごく美味しいね、これ。ところで、秋田で人気の焼肉店って、どこにあるのかな？」と山本陽子が言うと、彼女の隣に座っていたマサキという男が目を輝かせる。

「ああ、それなら俺が案内してやるよ。2位に選ばれた「塩ホルモン 炭楽」はもちろんだけど、1位はね……」

だが、マサキはその先を言わず、顔を曇らせる。すると、山本陽子が不思議そうな表情で問いかける。

「どうしたの？1位って、どこなんだろう？」

「その焼肉店、実は、地元民しか知らない、穴場で……。でも、今日は地元の祭りで、店はお休みなんだよ。ごめん、俺が勝手に誘っちゃって……。」

マサキは申し訳なさそうに言い、山本陽子もしばしの間、落ち込む。

しばらくして、2人は折角だからと地元の居酒屋に入る。ピリ辛のから揚げや、鰹のたたきなどを頼んで盛り上がるが、山本陽子は焼肉のことを思い出し、再び不機嫌な顔つきになってしまう。

すると、マサキは懐から何かを取り出し、「こっちにしようよ」と言う。その物体は、ちょうど焼肉の形をした、マスコットキャラクターのぬいぐるみだった。

「これ、買っておこうかと思って……。」

山本陽子は、マサキが苦心して選んだぬいぐるみを眺めると、心が和らいだ。いつしか、2人は大笑いしながらそのぬいぐるみと写真を撮った。

その夜、両者の心に残ったのは、焼肉店というよりも、地元の酒場でのひとときだった。

■この小説のちくわ様自己採点
感動的：7 笑える：8 悲しい：3 夢がある：6 怖さ：0
合計点：24