【感動必至】すし好き主婦が出会った回らない寿司の極み　チクワの謎に迫る！

主人公の名前は「すし子」といいます。彼女は回転寿司チェーン店で働くネタにうるさい女性です。ある日、すし子は同僚から「回らない寿司くらいウマい！」と聞かされます。気になったすし子は、それを食べに行くことにしました。

その店は「チクワ」という名前でした。チクワは見た目は古びたラーメン屋でしたが、中に入ると白木のカウンターが5席しかなく、そこにはオヤジが1人。入り口には「回らない寿司くらいウマい！」という文字が貼られていました。

オヤジはすし子に声をかけます。「そんなに食べたいか？」と。すし子は必死に「食べたいです！」と答えます。すると、オヤジは微笑みながら鰯の寿司を握りだしました。

「いただきます！」と思いきや、すし子は唇を膨らませました。見た目も臭いも、全く食べ物としてアリではありません。

「オヤジ・・・ごめんなさい。でも、これ私には無理です。」というと、オヤジは肩を下げたまま「そうか・・・でも今度はうまいの用意するからな。また来いよ。」と言ってくれました。

すし子はその場を後にし、「回らない寿司くらいウマい！」というフレーズを忘れませんでした。そして、しばらくして、すし子は結婚し、子供を産みました。一度だけ、チクワに再訪したすし子は、その時、オヤジがいなかったことを知りました。そして、誰も知らないようなフレーズを残して店を後にしました。「回転しない愛情くらいウマい！」。

■この小説のちくわ様自己採点
感動的：4
笑える：1
悲しい：2
夢がある：8
怖さ：0
合計点：15