「ヤキモチジャノメキチくん、憎まれキャラ？！ネットで話題沸騰の異世界ファンタジーロマンス！」

「ヤキモチジャノメキチくん」

ある日の昼下がり、のどかな住宅街の一角に、ヤキモチジャノメキチくんというワンコがいました。彼は、飼い主の甘えられる兄ワンコに対して、いつも微妙な表情を浮かべていました。

その日も、キツネ代わりにおしゃれなマスクで顔を覆った飼い主の兄ワンコが、甘えん坊ぶりを発揮していました。愛されキャラの飼い主に頭を撫でられる度に、ヤキモチジャノメキチくんは不満げな顔をしていました。

「何であのヤツがいつも甘えられるんだよ。俺の方が可愛いんだってば！」ヤキモチジャノメキチくんは飼い主に訴えかけるように、目を怒りでピカピカさせました。

しかし、不運なことに、ヤキモチジャノメキチくんは少々物言いが荒いことで有名でした。飼い主には、「思いやりキチくん」というあだ名を付けられていました。

「ヤキモチジャノメキチくん、大丈夫かい？一緒に遊ぼうよ！」飼い主が雷神（らいじん）と名付けた弟ワンコに声をかけました。彼はいつも明るくて優しい性格だったのです。

その一言でヤキモチジャノメキチくんの表情はパァアアと変わりました。彼は飼い主のことが大好きなのに、なかなか素直になれないでいました。

「そっか、最後は弟ワンコが可愛がられて終わっちゃうのか。でも、それはそれでいいかな。俺はヤキモチジャノメキチくんでいることが一番だから」そう心の中でつぶやきながら、ヤキモチジャノメキチくんは微笑みました。

彼は弟ワンコと飼い主が笑顔で遊ぶ姿を見て、本当の幸せを感じたのでした。

■この小説のちくわ様自己採点 感動的：7 笑える：2 悲しい：1 夢がある：8 怖さ：0. 合計点：18