「異世界ロマンスの中で味わう普段とは違う猫との出会い」

昔々、ある町に住んでいたちくわという名の主人公は、頭の中にいくつもの物語を抱えている人気作家だった。彼は日常系の状況から遠く離れたミステリー小説の執筆に勤しんでいた。

ある日、ちくわは普段と変わらぬ暮らしの中で、いつものようにポテポテと歩いてくる愛猫に出迎えられた。しかし、この日の愛猫の様子はちょっと違っていた。いつもよりも少し急いでいるようで、なんだかミステリアスな雰囲気を纏っていた。

「おい、キュウリ！どうしたんだ？」

ちくわは愛猫の名前をキュウリと呼んでいた。ちくわが彼を拾った日、キュウリを連れて帰る途中で偶然、キュウリの名前を書かれた看板を見つけたことがあったからだ。

キュウリはちくわの足元でワンワンと鳴き、毛並みを乱しながら何かを訴えかけているようだった。

「まさか、家に何かあったのか？」

ちくわは不安を抱きつつ、キュウリの後ろについて行くことにした。そのまま街を抜け、山道を進んでいくと、ちくわたちの目の前に風変わりな固有名詞が立ちはだかった。それは「ねっぴ」という不思議な生き物だった。

「おいちくわ！早く逃げなきゃ！」

ねっぴが叫ぶ声に驚いたちくわは、さっそくキュウリと共に逃げ出した。ふと振り返ると、ねっぴが何かを追っているような様子だった。それはまるでミステリー映画のワンシーンのようだった。

やがてちくわとキュウリは、安全な場所にたどり着いた。ちくわは愛猫のポテポテとした歩みが、ねっぴからの逃走のサインだったのだと気づいた。

「キュウリ、お前はさすがだな」

ちくわはうれしそうにキュウリの頭を撫でながら、結論（オチ）を思いついた。

「きっとキュウリは、ミステリー小説の主人公だったんだな。しかもミステリーワールドから抜け出して、現実の世界にやってきたんだ！」

ちくわの想像力が膨らみ、彼は次の作品のネタを手に入れたのであった。

■この小説のちくわ様自己採点
感動的：2
笑える：6
悲しい：0
夢がある：8
怖さ：0
合計点：16