「交際人数ゼロで兵庫県へ！ブルーな私が見つけた“風情ある茶”」

今、写真展を見に来ている私、藤井椿は出会いに恵まれていない人生だと嘆いていた。そんな中、兵庫県に交際人数が少ない女性が多いという記事を目にし、行く先々でアプリを使ってもやはりマッチングはできず、自分が兵庫県に足を運ぶ決意をした。珍しい感想とともにリストバンドを手首に巻き、兵庫県の丹波篠山に向かった。

駅前の風情ある茶屋で和菓子を頬張り、人懐っこい店主と話し込んでいると、愛好家であるという謎の人物『駅前リアリスト』と出会う。彼女は、この街にはアプリでは発見できぬ、小さな出会いがたくさんあると教えてくれた。椿は彼女のアドバイスで、近くの活気あるバー『しじみ色の闇』に行くことを決めた。店内は赤と黒の照明で暗く、中年男性がカウンターに集まり、泥臭い話をしていた。そこには、なぜか白無垢をまとったかっこいい二十代後半の男性がいた。彼は、『兵庫県交際数ランキング』で調べた私が来店していると知り、酒に酔った上で私に話しかけた。彼がなぜ白無垢を着たのか、心に秘めていた事情があることに気づいた私は、彼と知り合うキッカケを与えてくれたリストバンドを脱ぎ捨て、その酔いつぶれた男性と夜を過ごすことにした。

■この小説のちくわ様自己採点
感動的：7
笑える：3
悲しい：1
夢がある：6
怖さ：0
合計点：17