「『フォニイ』作者・氷月チオに魅了された引きこもり青年が始めた熱狂的なフォロワー行為とは？」

主人公の名前は「ミコト」。彼は、自宅にこもりっきりでニコニコ動画を観て過ごす非社交的な青年だった。そんなある日、ミコトが偶然ニコニコ動画で再生した曲に魅せられ、その曲のクリエイターである「氷月チオ」に興味を持つ。

ミコトは、氷月チオの作品に没頭し、彼女が今どんな曲を作っているのかを知るためにTwitterでフォローし、いつか一度お礼を伝えたいと思っていた。ある日、氷月チオが新曲の制作に必要な機材が故障したことをツイートしているのを目にしたミコトは、思い切って氷月チオに対して自分がもっている同じ機材を差し出す。

氷月チオからの感謝のメッセージを受け取ったミコトは、友達ができたと喜びながらも、彼女の正体がどうやら「他人の楽曲を盗作している」という噂を知ってしまう。それでも、氷月チオに対する信念を失わないミコト。しかし、ミコトが氷月チオの自宅を訪れて彼女の制作現場を見たとき、あまりにも衝撃的な光景が目に飛び込んできた。

そこには、氷月チオと別のクリエイターが共同で制作する音楽CDの原稿が山積みされており、ミコトは、彼女が盗作していた楽曲が収められるCDを発見してしまったのだ。悩んだミコトは、結局氷月チオに真実を告げ、彼女に代わって失敗しそうだったCDを改修して完成させたのだった。

おかげで氷月チオは、改心し、過去の盗作行為を反省。大ヒットしたCDの売り上げの一部を、ミコトに感謝の気持ちを込めて贈ることになった。

──そして、最後にミコトは、都会を出て田舎のカフェで働き始めたのだった。そこで彼女が出会ったのは、自分がニコニコ動画で発表した曲がきっかけで何かとかかわり合うようになった「カフェの常連客」だった。

■この小説のちくわ様自己採点
感動的：7
笑える：2
悲しい：3
夢がある：10
怖さ：0
合計点：22