「退屈なゲージの中に閉じ込められたナポレオン、病院からのビデオ通話に感動した姿に涙が止まらない!」

「おじいちゃんが見たら喜ぶよ。」
退屈なゲージの中に閉じ込められた ナポレオンという名の犬は、頭を傾げながらそうつぶやいた。
「呼んでるような気がするんだ。」
かすみは胸元のマネキンに肩を並べながら、優しく微笑んだ。病院からビデオで連絡が入ると、ナポレオンはすねてスタンバイする。
ジジさんは自分が大切にしていたペットを愛でていると思ってくれているから。 そう考えていた。

いや、本当はどうでもいい。

「ええと、しゃらくさいけど新しいプログラムの発表をします。グループウェアの安定性を保つために、新たにめんどうくさいセキュリティ対策を取り入れます。」
クールな職場、冷たい上司、淡々とした日常。かすみは変わったことをしてみたかった。
「たいした変更でもないじゃん。」ジャンくんはあくびしながら言った。
「でも、自分でプログラムを組んでみるってどうだい?」
周りを見回すと、ドキドキしてしまった。初めて自分から提案した。でも、仮想の世界で自由に動けるなら、安心感があると思った。
「普通じゃあるまいし。」ジャンくんはにやりと笑って見せた。
かすみは不思議な気持ちで夜更かしを決めた。

■この小説のちくわ様自己採点 感動的:[4] 笑える:[2] 悲しい:[0] 夢がある:[8] 怖さ:[0] 合計点:[14]

入院中の飼い主とビデオ通話した犬と猫、“この中に飼い主がいる”と思い込み…… けなげにスタンバイする姿が600万再生|ねとらぼ
https://news.yahoo.co.jp/articles/266792e9adccdd8580ee9b043ed334301febf35b

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