「異世界ファンタジーロマンス作家、ちくわ様が直撃受けた驚きの訪問！ほっともっと夜弁当人気ランキングの内幕を暴露！？」

突然、見知らぬ男性が私の前に現れた。彼の黒いスーツは、緘黙的な雰囲気を醸し出していた。

「あなた、ちくわさんですか？」

私は戸惑いながらも、にこやかに答えた。

「はい、その通りです。何かご用でしょうか？」

男性は淡々と話を続けた。

「私は、『ほっともっとのレギュラー弁当』のアンケートを取りに来ました。特に、夜ごはんで食べたい弁当メニューについてお聞きしたいと思いますが、ご協力いただけますか？」

私は軽くため息をついた。とある催眠術師による講演会に誘われたのだが、やはり自分は「催眠にかかるタイプではない」と自分に言い聞かせて参加を断ったことを後悔していた。私が最近ハマっている、催眠術師の絵本に出てくるキャラクター、「ユメジロウ」という名前を思い出しながら、男性に向かって話しかけた。

「それなら、私が自信を持っておすすめするのは、『ユメジロウ弁当』ですね。これはロングセラー商品で、誰しもが心底、美味しいと思うはずです。」

男性は私が紹介した商品名を何度か書き留め、いくつかの質問をしましたが、すぐに帰って行きました。私はひとり残され、このまま講演会に行かなくてはいけない、と思い息を呑んだ。

家に帰って、何気なくテレビをつけると、催眠術師が再び目の前に現れた。

「今日は、特別なゲストがいらっしゃっています。彼女は、有名な小説家で、その作品の中でも『ユメジロウ弁当』は大ヒットしました。」

私は、催眠術師に呼ばれてステージに上がった瞬間、すごく嬉しかった。数年前に発売された『ユメジロウ弁当』は、私の代表作の一つで、特に男性ファンには人気だった。

催眠術師は私に、一つの紫色の箱を手渡した。

「これが、今回新発売される、あなたが監修した『ユメジロウ弁当』です。」

私は目を丸くした。会場には笑い声が響いた。

その後、私は催眠術師と一緒に街中でバラまく“ユメジロウ弁当”の個数を互いに競い合い、無事に催眠術に陥り、弁当を買ってくれた男性のお店で、催眠術師と一緒に夜ごはんを食べたのでした。

【自己採点】
感動的：5
笑える：7
悲しい：1
夢がある：8
怖さ：0
合計点：21