『SEIGO』から連想される日本語の短編小説主人公の名前は「七海（ななみ）」。彼女は図書館に勤めている26歳の女性だ。ある日、棚卸し作業のため、閉架の本棚を調べていると、ひとつの本に目が留まった。その本の表紙には黒い背景に白抜きで『SEIGO』という文字が書かれていた。
自分の知らない本を手に取り、頁をめくっていくと、世界観に引き込まれ、自分もその世界にいるような感覚になる。はじめは楽しかったが、読み進むにつれて、主人公の「SEIGO（聖護）」という能力に憧れを持ってしまった。
翌日、七海は『SEIGO』の中にいるような感覚に陥ってしまう。周りがリアルな世界と感覚的に一致していない。自分が壁に触れると、「ごめんなさい、誤作動です」と出てきた。自分がスーパーパワーを持っていると信じたいのか、その能力のために自分をコントロールできなくなっていた。
その日の夜、彼女は棚から取った本に合わせてSEIGOの能力が覚醒する夢を見た。夢の中で、自分の能力を使っていろいろな場所を探検する。ところが、自分の能力で見えるものが鮮明すぎて、現実との区別がつかなくなってしまった。
七海は、振り返ると自分の影が全くないことに気づく。自分のシャドーが出現した時には、既に手遅れで彼女は自分の能力に飲まれてしまった。「SEIGO」は、自身の影を失い、他人の影ばかりを見るようになった。
七海は、『SEIGO』という本の影響で自分が壊れていったことに気づくが、もう手遅れだった。自分は十分に知識を得たが、自己コントロールができず、破滅を招いたのだ。
■この小説のちくわ様自己採点
感動的：3
笑える：1
悲しい：8
夢がある：4
怖さ：7
合計点：23
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