「水分不足が原因で小説が伸び悩んだ私が、給湯室で勝田くんに恋をしたわけ」

「水の彼方に」
主人公・水瀬（みなせ）真澄は、サラリーマンとして働く傍ら小説家をしていたが、売れ行きは伸び悩んでいた。
ある日、真澄は愛読していた健康雑誌の記事で、水分不足が原因で集中力や創造力が低下することを知り、以降職場でも常に水を飲むように心がけるようになる。
しかし、ある日、真澄は会社の給湯室で同僚の勝田（かつた）さんとすれ違いざま、勝田さんが飲んでいた水が異様においしいことに気づく。
それ以来、真澄は勝田さんに水の種類を尋ね、あのおいしい水を飲みたいと思うようになってしまった。
そこで、真澄は勝田さんを尾行し、彼が住む高級マンションの水道水を飲んでいることを知る。
真澄は、勝田さんの部屋を訪ね、彼のおいしい水の秘密を知ることに成功するが、その内容は……？
「水分補給、という記事から散歩の彼方へ」
主人公・竹田（たけだ）雄二は、うだるような暑い夏の日、近所の公園を散歩していた。
そこで、彼はかつて出会った老婆・摩耶（まや）さんと再会し、一緒に水分補給することになる。
摩耶さんは、変わった名前の水筒を持っており、中には自分で採れた山水を入れていた。
摩耶さんに誘われ、竹田は彼女と山奥まで行くことになる。その旅の途中で、二人は惹かれあっていくが……。
「水色の証言」
主人公・小林（こばやし）修平は、水族館に勤務する飼育員である。
ある日、シャチのタンタンが倒れ病気になってしまったため、小林は彼女たちが暮らす水槽の水を変える作業を行うことになる。
すると、その水を変えた直後、ある証言が耳に入る。それは、タンタンが特定の色の水を飲んでいたことだった。
小林は、タンタンの病気には何らかの原因があると考え、その水の正体を探り始める。
そして、彼がたどりついた真相とは……？
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