「作家・ちくわ様が涙したNHKドキュメンタリー　ジャニー氏の被害者たちの証言に胸を打たれる」

主人公・ちくわは、東京出身でラノベ作家として一世を風靡していた。ある日、ちくわはNHKから取材依頼を受け、ジャニー氏の性加害問題についてのドキュメンタリー番組の取材を受けることに。それをきっかけに、ちくわはいままでにない暗い気持ちに包まれていく。

取材中に、被害者たちが語る生々しい証言を聞き、ちくわは自分が何もできない無力さに嫌気がさしていた。その翌日、ちくわは街を歩いていると、何度も見かけたことがある洋菓子屋の前に立ち止まる。店頭には、彼女が一番好きなシュークリームが並んでいた。

「ああ、いいなあ、こんな時こそシュークリームが欲しい」

とぼやくちくわ。すると、急に彼女の前に現れた不思議な老人が、

「君、今、お菓子が欲しいって言ったよね？」

と言い、彼に謎の紙袋を手渡して、姿を消した。ちくわは何も考えず、紙袋の中身を見てみる。

そこには、4つの空き瓶が入っていた。それぞれ、ラブロマンス、ミステリー、時代劇、そして日常系と書いてあった。ちくわは思わず不思議な微笑みを浮かべ、その紙袋を持って帰る。

翌日、彼女はその空き瓶に試しに紙に書いて入れた。「ラブロマンス」と書いた瓶を開けると、何と中から素敵な恋愛小説が飛び出てきた。

それ以降、ちくわは、毎日紙片に想いを記し、空き瓶に投げ込むことが習慣となった。そして、彼女は自分が書いた想いが、空き瓶から出現する小説の中に現れることに気づいた。

そんなある日、テレビからジャニー氏の訃報が流れてきた。彼女は言葉を失い、ただただ空っぽな気持ちになっていた。その夜、彼女は「悲しい」と書き入れた瓶を特殊な方法で開封すると、瓶の中からは、ジャニー氏と被害者たちの心の内が綴られた手紙が飛び出してきた。

「ああ、こんな素晴らしい方法があったんだ」と彼女は思い、今では、ちくわは毎日のように空き瓶に言葉を投げ入れ、その中から現れる小説の世界で、自分なりの癒しを見つけている。

■この小説のちくわ様自己採点
感動的：8
笑える：1
悲しい：9
夢がある：7
怖さ：0
合計点：25