【怖すぎる京都の隠れとんかつ店！「クレイジーピッグ」で見たものとは…】

「化け物が出るから気をつけなさい」、そう警告を受けた主人公・山中博文は京都府にあるとんかつ店「クレイジーピッグ」に向かった。その店は、まるで昭和レトロなネオンに彩られた酔いどれ屋台にしか見えない外観とは裏腹に、世界一柔らかい国産豚肉を使用したとんかつで人気を集めているのだという。でも、何だか怖い店だ。

店内に入ると、おしゃべりな店主・矢島太郎が出迎えてくれた。「やあ、お前さん。ここで一番人気のとんかつは何か、知りたいかい？」と、矢島はつづけた。山中は目を輝かせ、「教えてください！」と答えた。

一品目は、白身魚のカツ。柔らかい魚肉に衣がサクッとした食感がたまらない。二品目は、自家製ハムカツ。ハムの凝縮された旨味が口内に広がる。三品目は……。

しかし、店主の話は途中で途切れた。突如として晦渋な音楽が店内に響き渡り、店員たちはあわてふためいて外に出て行った。主人公・山中は携帯電話で警察に通報し、店内を捜索することに。

すると、なにやら奇妙な物体が山中の視界に飛び込んできた。それは一糸纏わぬ黒い男で、不気味な笑みを浮かべていた。山中は恐怖に打ち震えたが、やがて彼の正体は「クレイジーピッグ」のマスコットキャラクターだという真相が明らかになる。そして、店員たちはまだ仕事ではなく、マスコットキャラクターたちとのロールプレイ中だったのだった。

「クレイジーピッグ」は、とんかつ店ではあるけれど、それだけではなく、驚きとロマン溢れる変わり種の店だったのであった。

■この小説のちくわ様自己採点
感動的：4
笑える：7
悲しい：0
夢がある：8
怖さ：5
合計点：24