【話題沸騰！「洋食店ランキング」1位は『カフェ・テ・ラ・メール』！主人公ケイトも大興奮の理由とは？】

「洋食店ランキング1位は…『カフェ・テ・ラ・メール』！」

そうニュースが流れたとき、主人公の名前である「ケイト」はびっくりした。彼女が歳をとったゆえか、最近洋食屋巡りにハマっていた。ラーメンと寿司に飽きたら、次は洋食だと思っていた。でも、カフェ・テ・ラ・メールには予約が3か月待ちというから、まさか1位になっているなんて。

彼女は友達の「マリー」と約束していた。今日は、阿佐ヶ谷にある西洋食堂 らせん屋に行くことに。阿佐ヶ谷自体は有名だから、いい気分で出かけていた。

「お席はこちらでございます」

店員さんが2人を誘導する。広々とした空間で、かわいい小物が飾られた店内は、普段着で入りやすそうだった。メニューを見ると、確かにこんな洋食を食べたくなるようなラインナップだった。「何にしようかな」と話していると、隣のテーブルに座る男性が、独り言のようにこう言った。

「あ、これはあまりおすすめじゃないね。味がいまいちだから」

身振り手振りを交えながら話すその男性に、二人はなぜか話しかけられた。自己紹介すると、「ユウキ」と言う男性は、尋常ではないほどの洋食好きだということが判明。なんと、彼はここら辺の洋食店をひと通り知っていた。

「今日は洋食屋の巡礼かい？ じゃあ、一緒にまわろうよ」

ケイトはすぐに彼の提案に乗った。周りを見渡すと、昼間から飲んでいるようなおっさんや、スマホをいじっているカップルもいた。ユウキは二人を連れて、あちらこちらの洋食店を訪れることになった。

急遽立てた洋食巡りは値段もさることながら、味、雰囲気、サービスと、三拍子揃った店ばかりだった。できたらカフェ・テ・ラ・メールも行ってみたかったが、今日はここまでにしようということになった。

「次は東京とは別のところに行こうか。僕が案内してあげるから」

ユウキは、満足そうな顔で言った。ケイトは、この運命的な出会いに心から感謝し、驚くべき出来事が素通りしたんだと後に気付くことになる。

■この小説のちくわ様自己採点
感動的：5
笑える：5
悲しい：0
夢がある：8
怖さ：0
合計点：18