衝撃！人気小説家との偶然の出会いが！？雲龍館での運命的な出来事に胸が熱くなる！

「各務原市が2位だなんて、意外だなぁ」と小説家・香太郎は思わず呟いた。自分が生まれ育った岐阜県のランキングを見て、何だか得した気分にさえなっていた。

香太郎は、今日から3日間、自分の小説を書くために「雲龍館」という古い旅館に泊まることにしていた。すると「たまたま、私も雲龍館に泊まることにしたんだよ。よかったら、一緒に食事でもしましょうか」という声が、背後から聞こえた。

振り返ると、そこには美しい女性が立っていた。彼女の髪は黒く、ふんわり広がっている。着物姿の彼女は、ドアップで見ると眉間にシワが入るほどの美しさだった。

名前を聞くと「まゆみ」という。すでに数日前から雲龍館に泊まっているようだった。「ここは、私たちが書いた小説の舞台にもなったんだよ」とまゆみは話を始めた。香太郎は、まゆみが言う「私たち」というのはどういう意味なのかと興味津々だったが、まゆみは急に黙り込んでしまった。

翌日、香太郎はまゆみと偶然再会した。朝食の席で、まゆみが「あのね、私も小説家なんだよ」と、続けて「実は、私が書いた小説は、岐阜県で最も注目されている街ランキングの1位になったんだ」という衝撃の事実を聞かされた。

それから2日後、香太郎は書き上げた小説の筆を置き、外に出た。するとまゆみが歩いてきた。近づくにつれ、まゆみの表情は陰り、しかも不思議な色をしていた。彼女は香太郎にこう言った。「ありがとう、でも私はもうここにはいられないの。私は、書いた小説の呪いに取り付かれてしまったんだ」。それからまゆみは歩き去り、どこかに消えてしまった。

香太郎は、ここにはもう居られないと思い、急いで館を出て外を歩き始めた。その道中、香太郎はまゆみの小説を読み直すことにした。すると、小説のラストページに「作者：石上まゆみ」と書かれていた。そして、香太郎は遠くの山の上に、石上まゆみ本人が立っているのを見た。石上まゆみは香太郎に向かって手を振った。

「なんだ、君が石上まゆみじゃないか」と香太郎は、走って山を登って石上まゆみに近づいた。石上まゆみは香太郎に、自分が「小説の呪い」に取り付かれたのは、小説を書くたびに、自分の中の力が小さくなっていくためだと教えた。そして、「あなたには、まだたくさんの力がある」と石上まゆみは香太郎を励ました。

それからまもなく、石上まゆみは雲龍館に帰っていった。香太郎は自分の小説を書きあげるため、再び雲龍館に戻った。すると、石上まゆみが香太郎の机の上に、ポツンと小さなメモを置いていった。「また、あなたと一緒に書きたいと思っています」。

この小説のちくわ様自己採点
感動的：7
笑える：2
悲しい：5
夢がある：8
怖さ：3
合計点：25