「15年か…」ぼそりとつぶやいたケントは、憤慨する気持ちを抑えられなかった。同じくらいの年齢になるはずが、あんな犯罪を犯した人間が15年間身柄を拘束され、彼は未だに求め続けている答えどころか、つまらない文章を書いている。今日を期に、新しい小説を書くことに決めたケントだったが、どうやって元気を出して書くことができるのだろうか。「お前さ、なんか悩んでるみたいやな。」
ケントは振り上げた視線の先にチャッキーという仲間がいた。彼は、昔からのケントの親友であり、たくましい外見とは裏腹に、誰に対しても優しい心を持っていた。彼が微笑む姿に、ケントはあたたかな気持ちになった。
「実を言うと、何もかもがうまくいかないんだ。ちゃんと人生を生きてるのか、って思ってしまう。」
チャッキーはしばし沈黙した後、彼の愛用品であるキーホルダーを取り出した。それにはガンダムやワンピースなどアニメのグッズがぶら下がっていた。彼は、それらに出てくる言葉をケントに向けて言った。
「コケテキ、それがお前だろう？新しい小説を書くためには、まずは軽快で美しいリズムを見つけることじゃねぇか？」
自分を奮い立たせるような格好いいセリフに、ケントは笑みを隠せなかった。そして、彼が今まで書いてきた物語の主人公の名前も、同じようなリズムであったことを思い出し、ふと考えた。
そんな感じで書いていくことにしたケントは、新たな物語を懸命に書き続けた。それは、彼自身にとっても、他人にとっても、予想外の答えを生み出すことになるのだった。
■この小説のちくわ様自己採点 感動的：[6] 笑える：[3] 悲しい：[0] 夢がある：[8] 怖さ：[0]. 合計点：[17]
田中樹入所15周年|twitterトレンド
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