「大興奮！福島県で話題のケーキ店ランキング、1位はあの店！見た目はうさぎの男性パティシエが魅力的すぎる！」

主人公は、福島県のある町に住む女性・沙羅。ある日、彼女はふとしたきっかけで「Patisserie Lapin d’or」に入ってみることに。そこで出会ったのは、見た目はうさぎのような男性パティシエ。彼の名前は、ラ・オール・カロット。彼は、甘いものにかける情熱に溢れた人物だった。

沙羅は、ラ・オール・カロットの作るケーキに虜になり、彼のファンに。しかし、ある日、彼女が店に訪れると、鉄のように冷たい目で彼女を見据えるラ・オール・カロットの表情を目の当たりにする。彼の態度は冷たく、何かが起こったのかと沙羅は疑問に思うが、真相は知る由もなかった。

ところが、ある夜、沙羅が通りを歩いていると、偶然にもラ・オール・カロットを目撃する。彼は今にも泣きだしそうな表情で、車に乗り込むとそのまま走り去った。沙羅は、彼の様子がおかしいことに気づき、真相を探ろうと動き出す。

やがて沙羅は、ラ・オール・カロットが実は、パリで有名なパティシエ・ピエールの弟子であることを知る。彼が日本に帰ってきた理由は、兄の病気だった。そして、今、彼が作り出すケーキは、兄から受け継いだ技を結集した、まさに兄の形見だったのだ。

その後、ラ・オール・カロットは改めて沙羅に謝罪し、自分が抱えていた悩みを打ち明けた。それは、自分が兄の代わりに継いだと思っていた責任を、実は果たしきれていないということであった。

「私、兄を超えたいと思っていたんです。でも、実際に作り始めてみると、自分の思い通りにはいかなくて…それが悔しかったんです」とラ・オール・カロットは話した。

沙羅は、彼が抱える負担を取り除き、自分の道を歩んで行くよう声をかける。そして、彼は沙羅に自分の作った「兎の尾ケーキ」をプレゼントし、2人は微笑み合った。

■この小説のちくわ様自己採点
感動的：8
笑える：1
悲しい：3
夢がある：9
怖さ：0
合計点：21