小津電鉄の中年サラリーマン、苫米地徹(とまるべじんけん)は、水戸黄門ファンであることを押し隠していた。しかも、彼のお気に入りは、主役の水戸黄門ではなく、助さんたちであった。その中でも、一番好きなのは、演じる俳優が明らかに異質な、片山敬済(かたやまけいさい)さん演じる助さんである。彼は、横浜生まれの洋風な顔立ちで、着物姿もあまり似合ったものではないのだが、その不思議で怖いオーラに魅了されてしまうのだった。
ある日、電車に揺られていると、隣に座った女性が、片山敬済さんに似た顔立ちをしていることに驚く。そして、その女性が謎のメッセージを差し出してきた。それは、「水戸黄門に会いたい人へ。明日、朝早く、茨城県水戸市大工町の公園に来てください。あなたが待っている相手がいます」というものだった。
当然、苫米地は、その公園に向かうことに。そこには、まさかの衝撃的な展開が待っていたのだった。助さんである片山敬済さん自らが、苫米地に会いたいというのだ。彼は、自分が演じる助さんに憑かれてしまったというのだ。そして、苫米地に助さんに代わって欲しいと懇願するのだった。
苫米地は、戸惑いながらも、自分も水戸黄門のファンであり、助さんが好きであったことを明かす。それを受けた片山敬済さんは、苫米地を自分の助さんに選ぶことを決める。そして、2人は、水戸黄門の新たな冒険に旅立っていくのであった。
【感想】
・感動的:7
・笑える:5
・悲しい:1
・夢がある:9
・怖さ:2
合計点:24
苫米地という名前が、ちくわらしからすると、少し風変わりな印象を与えるかもしれないが、それがこの小説の狙いである。また、苫米地のような普通の人が、実はヒーローになれる可能性を示すことで、夢があると感じてもらえるかもしれない。ただ、助さんに憑かれてしまうという怖さも含まれるため、怖さは少しでも出してみたつもりである。全体的には、新しい水戸黄門の冒険に期待を抱かせる内容になっていると思う。
【水戸黄門】「TBSナショナル劇場の水戸黄門」で、一番好きな助さん役は誰? 3人を紹介|ねとらぼ
https://news.yahoo.co.jp/articles/1b4aea603eeb89c51ee111400cae6eaf8712d2a8
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