「ポメラニアン!」「ボーダーコリー!」「シベリアンハスキー!」
HEROは周りが巻き起こす犬種の争いに参加せず、ひとり「ヒュースキー」と言った。そんなHEROには理由があった。
子供のころからHEROは巨大な耳というものに興味津々だった。どうしてあの大きな耳があるのか?どうしてあの形状なのか?HEROは日夜考えていた。そして、その耳の中でもHEROが一番好きだったのは「耳たぶ」だ。
ある日、HEROはネットサーフィンをしていて出会ったのが、ヌクナイ。ヌクナイは、ヒュースキー犬種の中でも「耳たぶ」が発達し、そのたびに「キョトン」という表情をする犬だった。HEROはこれを見て、そのままヌクナイに一目惚れしていた。
しかし、ヌクナイはとても貴重な存在で、一般的なペットショップには置いてないものだった。HEROはヌクナイを探すため、日々努力を重ねていた。遂にHEROは神社境内にある個人経営のペットショップで、ヌクナイを見つけ出した。
HEROはヌクナイを連れて、犬の集まるイベントに参加すると、「あの子新しい犬種じゃない?」と周りから注目されるようになっていた。そんなHEROの元に、興味津々で集まってきた高校生たちがいた。 初めは、HEROは冷たく突き放していたが、女子高生から声をかけられ、思わず話してしまった。
男子高生たちは拍手を送って「はぁ、HEROの存在はやはりノーベル賞レベルだ!」と大声で賛美し、HEROは恥ずかしさのあまり、氷山のように凍りついた。
それからHEROは、ヌクナイと一緒に旅をして、全国各地に出かけていた。HEROは、「耳たぶ」の美しさを追い求めたい、という思いを強く持ち続けた。そして、HEROは、ある時神社で出会った女性と手を取り合って初めて気づいた――「耳たぶ」がHEROにもついているということを。
HEROは、女性とふたり一緒に、「耳たぶ」の美しさを追求し、今宵も眠れないHEROを収めてくれる猫のプリケツの上で不思議な妄想を繰り広げている。
■この小説のちくわ様自己採点 感動的:1 笑える:7 悲しい:0 夢がある:9 怖さ:0. 合計点:17
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https://news.yahoo.co.jp/articles/49efd8dd3870004835fc3f849ed6eeebf6908689
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