「点字ブロックという名前、ちょっと怖くない?」と、主人公の鈴木太郎は友達に言われた。確かに、点字ブロックのメタリックな光沢が、実験台のように無機質で、何か不気味だった。だが、鈴木太郎はじっと見つめた。
「これがなければ、目の不自由な人たちは歩けないんだよ。特別な凸凹で、点字でこの場所が何なのかわかるようになってるんだ。」
そう言って、鈴木太郎は跡を引き、急ぎ足で歩き出した。だが、向かい側から、女の子が現れた。スマホに夢中で、不意に道路に踏み込んでしまったのだ。
「こら、やめろ!」
鈴木太郎は叫び、ビクッとなった女の子に思わず肩を抱いた。その時、目の前で光が差し込み、絵画の中のような景色が広がった。道路の両側が、お座敷部屋のように、厚みのある畳になっているのだ。
「ちょ、大丈夫?あんたどうかしたの?」
「いいえ、特に問題ないです。ただ、見た光景が普通じゃない…」
女の子の名前は杉野麗子。彼女がこの「別世界」と会話をするのは、同じ傷を持つ不思議な人たちだけだ。ヒーローのようになった麗子は、鈴木太郎にキスをするが、突然、彼女の姿が消えた。
その後、鈴木太郎は、歩くたびに見せる異世界への扉を開き、寂しい麗子と共に冒険を繰り広げるようになった。
■この小説のちくわ様自己採点:
感動的:5
笑える:2
悲しい:3
夢がある:9
怖さ:1
合計点:20
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