「【衝撃】平成の怪物・高嶋健二が“リアル評価”される!? 百舌谷池のカフェ『バベル』での事件簿」

「百舌谷池に佇む謎解きカフェ『バベル』での事件簿」

主人公・浜朗（はまたろう）は、百舌谷（もずがや）池に佇むカフェ『バベル』のオーナー。そこでは、謎解きをはじめとした様々な催し物が行われている。

ある日、浜はカフェの常連客である“平成の怪物”こと高嶋健二選手に出会う。高嶋選手は、本来の投球とは程遠く、3回3失点という不甲斐ない結果に終わったとのこと。浜は呆れつつも、高嶋選手の姿を見て何か感じたものを抱えながらカフェを後にする。

その夜、バベルの帰宅部専用ドアが謎の密室と化した。外に出ることもできず、内部からの犯行が疑われる中、浜らは謎を解き明かして脱出することに成功する。そして浜は、事件の裏に隠された“平成の怪物”の真実にたどり着くのだった。

「WBCの連続MVPを受賞し、数々の記録を樹立してきた“平成の怪物”こと高嶋健二選手。しかし、それはすべて偽りだった。彼が真に望んでいたのは、ただ一つのことだった。それは、投球とは程遠い、エッセンスのない投球。つまり、誰かが思い描く“平成の怪物”の姿であり、彼がそれを実現した、ということだ」

浜は高嶋選手の素顔に驚きながらも、彼が投げた球が目に焼きつく姿に感銘を受ける。投球にどこまでの価値があるのか、考えさせられる出来事だった。

【感想】

感動的：6 点
笑える：2 点
悲しい：3 点
夢がある：7 点
怖さ：1 点
合計点：19 点

投球に対する独自の価値観を持つ主人公の姿に、感動が込み上げる。一方で、事件解決の展開には笑いの要素も加わっている。高嶋選手の至らぬ姿にはさみしい気持ちも露わになるが、バベルが提供する不思議な空間に夢を感じる。唯一怖さが評価されなかったが、それは人を脅かすようなシーンがなかったからである。全体的には、謎解きとスポーツが融合した、新しいタイプの物語と評価できるだろう。