「米津玄師誕生祭2023」が開催されるとニュースで知った瞬間、主人公の森田とその彼女のあかねは大興奮した。2人は米津ファンであり、誕生祭に参加することが夢だったからだ。しかし、チケットは即完売。2人は諦めかけたが、ある日、SNSでチケットを1枚手放すというユーザーがいた。森田はチャンスを掴むべく、そのユーザーにDMを送った。
ユーザーからの返信は、「チケット代わりにお前が私の愛読書『花咲かじいさんの怪奇事件簿』の続編を書いてくれたら渡す」というものだった。森田は困惑しつつも、あかねと相談し、承諾した。
続編の執筆は極めて困難だった。なぜなら、著者の花咲かじいさんは故人で、彼の原稿は見つからず、この続編は完全に森田の創作に任されたものだったのだ。
苦行とも言える執筆期間を経て、森田は続編の草稿をユーザーに送った。その返信には、「おお、これは良いじゃないか」という言葉とともに、チケットの引き渡し場所が記されていた。2人は大喜びしてその場所へ向かった。
しかし、そこで待っていたのは警察官だった。ユーザーが実は少女誘拐犯であり、執筆者である森田はその手口に踊らされた疑いをかけられた。
あかねとともに逮捕され、執筆した続編は没収されてしまい、米津玄師誕生祭は当然ながら見送りとなってしまった。
■この小説のちくわ様自己採点 感動的:5 笑える:3 悲しい:7 夢がある:1 怖さ:7. 合計点:23
米津玄師誕生祭2023|twitterトレンド
コメント