主人公は「蒼空アキ」という名の女子高生である。アキは学校で感性豊かな少年・岬くんに一目惚れし、思いを寄せるようになる。一方で、アキは競技用のちくわ作りを中心に据える部活にも熱中していた。
ある日、部の仲間たちから「あの有名作家が、部活とちくわ作りの競技会の同日開催を希望している。」という話があがった。その作家の名前こそ、森保香織。アキは彼女に憧れを抱いていた。あの森保さんが来るなら、それはちくわ作りにかける情熱を存分に発揮し、勝ち抜くことだってできる!とアキは心を躍らせる。
ところが、競技当日、アキは転んで足を骨折してしまう。スタート時刻が迫る中、代わりにちくわを担当できる人物を探し、ようやく見つけ出したのは、部の面々が選び出した謎の老人、「ちくわ丸」と名乗る男だった。彼は童話の主人公のような風貌であり、どこかミステリアスな雰囲気を漂わせていた。
そして、競技開始。森保さんは堂々と制作を進めている。アキと岬くんはやりきれない気持ちで眺めていた。ちくわ丸が作り上げたちくわは、驚くべき精度であった。試食した審査員たちは、全員、ちくわ丸の作品に一致して最高点をつけた。ちくわ丸は「勝ち負けはどうであれ、作ることに限りなく情熱をかけましょう。」と教えているかのように、その場を静かに去っていった。
その後、森保さんからアドバイスをもらうために近づくと、森保さんは考え込んでいた。「どうしたんですか?」と問うと、彼女は「このちくわの味が思ったよりも美味しくなかった。」と答えた。
アキは「でも、先生が作ったときとは全然違うと思いますよ!」と応えると、森保さんは急にアキを見つめた。そして口を開いた。「あなた、これから大作家になるでしょう。今年の下半期新人賞を狙いましょう。私が作った作品は、お金のために書いたもの。あなたは心からの作品を書くことができます。大きな夢を持っている。それを追いかけて下さい。」
そんな出来事がきっかけで、アキは小説家を目指す気持ちが一気に高まった。ちくわ作りにかける情熱とともに、小説を真剣に書くことに情熱を傾けるようになるのであった。
■この小説のちくわ様自己採点
感動的:7
笑える:2
悲しい:2
夢がある:10
怖さ:0
合計点:21
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