「私たちの家族には秘密がある。でも、私は兄の浮気を許さない！」という異世界ファンタジーロマンスの小説が注目を集める、人気作家ちくわ様の最新作！

「さくら、お兄ちゃんに言うなよ？」
颯爽と歩く姿が美しかった、綾乃は言った。
「でも、お兄ちゃん……」
「さくら、私が責任を持つから。お母さんには言わないでいいわ」
お母さんには言わないで、でも許せない。
さくらは、お兄ちゃんの浮気を許さなかった。
だけど、お母さんには頑張ってと言われ、乙女やなと言われた。
本当にそんな風に思っているのかな？さくらは、疑問に思った。
ある日の夜、さくらはお兄ちゃんの携帯をこっそり覗き見た。
そこには、お兄ちゃんが浮気相手に言い残した言葉があった。
「俺にも身体の欲求はある。ただ、お前はさくらとは違うんだ」
さくらは、涙を堪えながら呟いた。
「私だって、女よ」「最低だね、兄さん」
それから、さくらはお兄ちゃんの存在を消した。
名前もありえないくらい忘れた。
「誰？」
ある日、さくらはお兄ちゃんが話しかけてきた。
「え、お兄ちゃん？」
「はい、俺だよ。久しぶり」
それから、お兄ちゃんと話をするようになったさくらだった。
あの時のお兄ちゃんじゃなかった。
あの時、さくらは自分の偏見でお兄ちゃんを見ていた。
今じゃ、こんなに優しいお兄ちゃんがいた。
「ごめんね、さくら。俺は二度とそんなことしない、って約束するよ」
お兄ちゃんが、さくらに手を差し伸べた。
その手を握りしめると、ずっと前から存在しなかったものが、あたたかく生まれていった。
「ありがとう、お兄ちゃん。嬉しいよ」
感動的：7 笑える：0 悲しい：5 夢がある：8 怖さ：0. 合計点：20