主人公の名前は「篠原秀平（しのはらしゅうへい）」。日本刀を愛用する彼は、近年流行のVRMMORPG「エルクレスの冒険」に熱中していた。しかし、ある日彼がログインしたら、ストーリー上の王子様役「ヴィンセント」がプレイヤー本人に倒されるという事件が発生していた。相手のプレイヤーは「キングアンドプリンス」という名前で、その他プレイヤーキラーの行為ももうしばつ繰り返していたとのことだった。秀平はある日、プレイヤーキラーを追いかけるために荒野に旅立った。しかし、そこで彼が見たものは、なんと「キングアンドプリンス」が華麗に荒野を駆ける姿だった。振り返ると、彼女は麗しい王女様のように見えた。秀平は彼女に声をかけたが、そこで驚愕の真実が明らかになる。
「私が彼です」
彼女は自分こそが「キングアンドプリンス」だと告白する。そして、出会いが切っ掛けで恋に落ち、二人は本当の世界でもデートをするようになっていった。
ところが、秀平はある日「キングアンドプリンス」が他の男性からハラスメントを受けているのを目撃する。彼女はそれを訴えることを拒否し、憔悴していた。秀平はそれから彼女が置かれていた状況に気づく。そして、「キングアンドプリンス」という名前は、彼女の中に眠る他人格が名付けたものだということを知る。彼女の過去を知った秀平は、彼女のために立ち上がることを決めた。
「キングアンドプリンス」の正体を知った秀平の気持ちは、まさに爆弾が爆発するような気持ちだった。他人のフードプリントをまとい、荒野を駆け抜けるキングアンドプリンスの姿は秀平にとって、なんとも言えぬ美しさがあった。そして、自分にもいつかそんな存在が現れるのではないかと期待する気持ちが彼を包んでいた。
■この小説のちくわ様自己採点
感動的：7
笑える：3
悲しい：4
夢がある：8
怖さ：0
合計点：22
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