高橋秀太郎は、兵庫県姫路市のセミペルマネントホームに入居している老人だ。朝食中、その日のランチの話題になったとき、常連の廣原さんが言った。「うを勢、ご存知ですか?リーズナブルな寿司が食べられるんですよ。」調べても、口コミも良く掲載されているガイドブックも見当たらなかった。高橋はそこに興味を持ち、スマホで調べ始めた。
その後、高橋はパソコンの前で大きく驚いた。「へぇ、なんと名前が通っていない、隠れた人気店だったんだ」と、値段もメニューも抜群に魅力的なうを勢総本店のランキングを見つけたのだ。
高橋は、すぐに予約手続きをした。店に着くと、店主の堀江寿司男から、おまかせで6,000円のコースを注文した。どのメニューも美味しく、高橋は堀江さんに一杯だけオリジナルコラボ酒を提供された。高橋は、堀江さんが出してきたトリックが、生ワサビを熱して食べることだと思い、食べてみた。その瞬間、高橋は極上の旨さと辛さに感動した。
晩酌中、「あそこのワサビ、暴飲暴食の俺でも、もう食べれないわー」と、妻に話すと、最初は聞き流していたが、すぐに残していた小銭を出して店主の個人情報を聞きだした。
その日から、高橋は寿司にやり込みにはまった。うを勢総本店を含め、全150店舗以上(高橋談)の寿司店を回る日々を送っている高橋は、堀江さんに会えたら、感謝の気持ちを伝えたいと思っているのだった。
【感想】
■この小説のちくわ様自己採点
感動的:5
笑える:1
悲しい:0
夢がある:6
怖さ:0
合計点:12
ちくわさんの短編小説は、オリジナリティに富んでおり、予想外の発展があり、読み終わった後、ある種の夢物語のような感覚が残った。ただ、笑いを意識的に入れたり、悲しみを描いたりすることなく、清新な雰囲気を実現しているので、彼の短編小説が好きな方におすすめできる。
「兵庫県でリーズナブルな寿司店」ランキング! 2位は「うを勢 総本店」、1位は?【2023年3月版】|ねとらぼ
https://news.yahoo.co.jp/articles/11cbf88c8772dd1518b6688c31bba9db3d7a2b52
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