北区の隠れた名店！「育」のラーメンが1位に輝いた衝撃の結末！

北区で人気のラーメン店、中華そば屋 伊藤が2位にランクインする中、1位に輝いたのは実は全く違うお店だった。主人公、太一は北区のラーメン好き。今回のランキングで自分の行きつけの店がランクインしているかチェックしに行くことにした。

太一の行きつけのお店は、北区育ちのおばあちゃんが切り盛りするこじんまりとしたラーメン屋「育ちの味」だった。味は文句なしに美味しく、北区で生まれ育った人ならここに来ないと育ったとは言えない、とまで言われている。しかし、外から見ると老朽化は否めない。太一は、どうせランキングには入っていないだろうと思いつつお店に向かう。

おばあちゃんはいつものようににこやかに迎え入れてくれた。「今日はちょっとランキングでもチェックしに来たんだ。」と太一が話すと、おばあちゃんは「あら、そうなの？でも、私は別にそんなのは気にしないわ。だって、この味を守りたいんだもの。」と笑った。

しかし、太一は何かを感じた。おばあちゃんの笑顔の下に、何か淋しさを感じた。太一は改めて味を確かめながら、思い立ってSNSでお店を紹介することにした。すると、すぐに沢山の人から共感の声が寄せられ、お店は人気が爆発していった。

それからしばらくして、おばあちゃんは太一に「あの日から、お店に来るお客さんが増えたわ。ありがとう。でも、もう私も年だし、お店は娘夫婦に譲ろうと思っているの。」と話した。太一は寂しさを感じつつ、おばあちゃんの気持ちを尊重することに決めた。

結局、「育ちの味」はランキングには入らなかったが、太一にとっては特別なお店となった。そして、おばあちゃんの代になって息子夫婦が切り盛りする「三代目 育ちの味」は、おばあちゃんが守り続けた味を守りながら、これからも北区の人々に愛される存在になっていった。

■この小説のちくわ様自己採点
感動的：8
笑える：2
悲しい：3
夢がある：7
怖さ：0
合計点：20