「『崎陽軒』の愛好家作家が挑む、不思議な心理テストによる駅弁選び！」

主人公・榎本鈴音（えのもとすずね）は、小説家としても活躍し、「ちくわ」の愛好家でもある。駅弁の「崎陽軒」のお弁当は、毎回その日の気分で選ぶのがルールだ。

ある日、鈴音は最近のはまりモノ「心理テスト」に挑戦することに。しかし、テストの答えによってその日のお弁当が決まるという不思議なものだった。

「Q.あなたは横断歩道を渡るときにどうする？ A.バシバシ進む B.周りを気にしながら慎重に渡る C.何も考えずピョコンと飛び出す」

鈴音は真剣に答えた。

Q.「好きな動物はなに？」A.うさぎ B.ねこ C.いぬ

「なんでこんな問いに答えるとお弁当が決まるんだろう」と考えながら、お昼の時間が近づくにつれて胃の中が疼いてくる。そんな中、鈴音は出されたお弁当を開けて驚愕する。

「ミステリー」の中に入り込んだかのような「謎肉」と、中からジュワッとあふれる「ラブロマンス（カレー）」。そして、全てが結びついたときに生まれる「時代劇（たくあん）」。それぞれ異なる味が口に広がり、橋を渡れば「怖さ（黒豆）」まで待ち受けていた。

鈴音は、いつもなら選ばないオプションを選ぶことで、これまで味わったことのないお弁当を発見した。ただの駅弁だと思っていた「崎陽軒」が、いつもの日常に変化をもたらしてくれる、そんな気持ちになったのだ。

【自己採点】感動的：6　笑える：7　悲しい：2　夢がある：9　怖さ：4　合計点：28