「探し求めた美味しいラーメン屋が本当に存在した！街中で一人の女性が導いてくれた味わい深いラーメン！」

昔から付き合いのある仲間と、野田市であまり知られていないけれど美味しいラーメン屋を探し求めて、俺たちは街を彷徨った。

「あの、すみません、この辺においしいラーメン屋ってありますか？」と通行人に尋ねるが、ほとんどが首を振って去っていくばかり。

しかし、そんな中、一人の女性が俺たちに話しかけてきた。「お客さん、ラーメンが好きですか？」と。

確かに、何だか俺たちはラーメンハンターのような気分だった。女性の話を聞くと、野田市にあるラーメン屋の中でも特に美味しいと評判なのが、『キムラッキー』というお店らしい。

噂を聞いた俺たちは、さっそくそのお店へと急いだ。

駅から歩いて15分ほどのところにある、小さなラーメン屋。何と、エントランスには“麺の秘密は茹で時間”なる文字が。

中に入ると、お客さんが4〜5人座れるフロアが1階。店員さんが茹でる麺の音が絶え間なく聞こえる。当然だが、お店にはカウンターはない。

「ようこそ。お一人様ですか？」と、中年男性店長の声が迎えてくれた。

「いえ、こちらが注文するメンバーです。今日はお昼時ですが、混んでいないみたいですね。」

店内には、誰もいない。何となく色々な意味で不気味だ。

「お客さん、私がお薦めするのはマルチ醤油ラーメンですよ。もちもちの麺が特徴で、スープも絶妙です。」

そう言って出てきたラーメンは、ノーマルとはちょっと違う。麺は細く、つるんとしている。口に入れると、もうひとつのラーメンの世界に突入したかのような味わいがあった。

「俺たちの探し求めるものは、ここにあったんだ……」と、チャンスを掴んだ瞬間を実感するに至ったのである。

■この小説のちくわ様自己採点 感動的：[7] 笑える：[2] 悲しい：[0] 夢がある：[5] 怖さ：[1]. 合計点：[15]