異世界迷子！大阪メトロ谷町線が連れ去る驚愕の旅！？あの”四天王寺前夕陽ケ丘”で降りたら戻れなかった…！

主人公の名前は「月見町憲三郎」。彼は大阪に暮らす平凡なサラリーマンで、趣味は鉄道の駅名集め。ある日、谷町線の駅名でランキングが作られていることを知り、「四天王寺前夕陽ケ丘」に行ってみようと思い立つ。しかし、駅を降りるとそこは異世界のような光景が広がっていた。彼はどうやら「四天王寺前夕陽ケ丘」駅から抜け出せなくなってしまったようだ。

彼が出会ったのは「熊野駅長」という妖精のような存在だった。彼は憲三郎にこう語りかけた。「この世界は駅名の力で動いている。四天王寺前夕陽ケ丘駅は、日の入り時に最も輝く丘の上に建っている。それが力になって、この世界を動かしているのだ。」憲三郎は驚愕し、もっとこの世界を知りたいと思った。

翌日、彼は熊野駅長から「神崎川駅」と「天満橋駅」に案内された。そこにはそれぞれ、大きな川と橋があった。駅名の力が具現化されるその光景に、彼はうっとりとしていた。そして、「四天王寺前夕陽ケ丘駅」へ帰ろうとしたところ、突如として「弁天橋駅」に迷い込んでしまった。

そこには美しい女性がいた。彼女は「私が夕陽ケ丘に帰すことができる」と告げた。しかし、代わりに一つだけお願いがあるという。「私に“舌禍（ぜっか）の術”をかけてくれませんか？」と言われ憲三郎は戸惑うが、女性から見つめられるうちに思わず「了解しました」と答えてしまった。

彼女は満足そうに目を閉ざし、何かの言葉を呟いた。すると、彼女の舌が長く伸び、巨大な蛇のようなものに変化してしまった。怖いと思う一方で、何か意味があることだと感じた憲三郎は、彼女を夕陽ケ丘駅に連れて帰った。

「弁天橋駅」に行くたびに、彼女に会いに行くようになった憲三郎。そして、彼女の変化に気付いた同僚に、「舌を出してしまうと、男を虜にする“舌禍の術”をかけられてしまったんやな」と教えられる。彼女の言葉通り、彼女の舌によって、憲三郎は彼女に心酔してしまっていたのだった。

「弁天橋駅」は、憲三郎にとって特別な場所になった。彼女に会いに行くことが、彼にとっての日課となっていた。

【自己採点】
感動的：2
笑える：3
悲しい：1
夢がある：7
怖さ：2
合計点：15