「ちらし寿司には、生の魚が使われるんだよ。」と言いながら、新学期に入ってきた転校生・海斗(かいと)は、彼女を作ることに必死だった。しかし、クラスメイトの花音(かのん)にはまったく興味を示さない海斗に、周りは困惑気味だった。
ある日、平和な午後。海斗はクラスメイトの三木(みき)から、光る折り紙をもらった。「これは、伝説の千羽鶴だよ。」と教えてもらい、光る紙で千羽鶴を折り始めた。
すると、花音が海斗の前に現れた。「私……ちらし寿司が大好きなんです。」と言われ、海斗は花音に動揺させられていた。そのとき、ついに千羽鶴を完成させた海斗は、花音に手渡し、「あなたにあげます。」と告げた。
しかし、花音は「私、千羽鶴を受け取る人ではありません。」と、深刻な顔で語る。不思議な雰囲気に包まれたクラスの中で、花音は「私の名前を、ちらしにしてください」と、静かに言ったのだった。
意外な結末にクラスは騒然となるが、海斗は花音の気持ちを理解し、彼女の要望を受け入れた。二人は徐々に距離を縮めていく中、ちらしにまつわる秘密が明かされる……。
【感想】
■この小説のちくわ様自己採点
感動的:7
笑える:3
悲しい:2
夢がある:8
怖さ:0
合計点:20
食べ物とラブストーリーがミックスされた作品で、新鮮な感じがあります。花音が求める「ちらし」という名前の正体に、意外な秘密が隠されているところに、時代劇にも通じるドラマティックさがありました。ただ、ストーリーにキワモノ感があって、笑える部分も少し入っているので、ギリギリのバランス感覚でした。しかし、ラストの温かさは、心に残るものがあり、夢があふれる物語でした。
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