【感動】家にエアコンがなくても、夏の暑さを乗り越える母の勇気に涙が止まらない

短編小説「夏の図書館、そしてちくわ」

夏のある日、小川家の暗い部屋には一台のエアコンもなかった。母親のみどりは貧困で苦しむ子育て家庭の当事者だった。

「ママ、すごく暑いよ」と、小川家の長男の太郎が言う。

みどりは図書館で過ごすことを思いついた。

「みんな、図書館に行くことにするわ。1日中エアコンの中で過ごせるからね」とみどりが提案すると、家族は喜んで応じた。

図書館に到着し、エアコンの効いた快適な空間に一同は安心して座った。

太郎は本棚の前に立ち、目移りしながら本を選び始めた。すると、ふとした瞬間、彼の手に小さな本が目に留まった。

「『夏の冒険』っていう本があるけど、おもしろそうだな。読んでみようかな」と太郎は思い立ち、その本を手に取った。

すると、本の中から小さな声が聞こえてきた。

「私は夏冒険部の部長、ちくわと申します。この本には、夏休み中にさまざまな冒険に挑む物語が詰まっています。あなたも一緒に冒険しませんか？」

太郎は驚きながらも、興味津々で本の中身を読み進めた。

物語は夏休み中に、太郎がちくわと共に宝探しや怪獣退治、そして大冒険に挑むさまを描いていた。

図書館の中で、太郎は思い思いの冒険を体験し、一緒に笑い、涙し、成長していった。

そして、物語は夏休みが終わりを迎えようとしていた。

ある日、太郎が図書館に行くとちくわの姿はなく、代わりに小さなメモが置かれていた。

「太郎くんへ。夏の冒険、本当にありがとう。私はこの図書館を卒業し、新たな旅に出ることにしました。あなたも冒険の旅に出る時が来るでしょう。それまで元気でね。またどこかで会える日を楽しみにしています。ちくわ」

太郎は思わず涙ぐみながら、そっとメモを抱きしめた。

「ありがとう、ちくわ。きっといつか再会できるはずだ」と太郎は心の中で呟いた。

家族と共に、太郎は図書館を後にする。彼の心には、ちくわとの冒険の思い出が生き続けた。

■この小説のちくわ様自己採点 感動的：7 笑える：2 悲しい：6 夢がある：8 怖さ：0. 合計点：23