「衝撃！ベストお取り寄せ大賞２位！アイスバー詰合せが私の心を虜にした理由とは？」

その日、ちくわは小説を書く気分ではなかった。しかし、編集部からの締め切りを気にして机に向かっていた。頭の中はまるで真っ白で、何を書けばいいのか全く分からない。そんな時、テレビから「ベストお取り寄せ大賞2023」の特集が始まった。

ランキング発表の瞬間、ちくわの目はいきなり2位の商品に釘付けになった。「アイスバー詰合せ／帝国ホテル」と表示された画面に、美しいアイスバーの写真が映し出された。ちくわは口の中に唾液を感じながら、その美味しさを想像した。

しかし、2位の喜びも束の間、次の瞬間、1位が発表される。

「そして、ベストお取り寄せ大賞2023の1位は……」

しばらくの沈黙が流れた後、スクリーンに表示されたのは、まさかの「ちくわ詰め合わせ／ちくわ本舗」だった。

ちくわは言葉に詰まり、目が点になってしまった。なんと、自分が手がけるちくわが、日本中で1位に輝いていたのだ。

それからというもの、ちくわは忙しくなった。取材やインタビュー、テレビ出演の依頼が殺到し、彼は一躍有名な作家となった。

しかし、世間の注目を浴びる中でも、ちくわは自分らしさを忘れず、さまざまな作品を書き続けた。

そんなある日、ちくわは自宅でゆっくりと過ごしていた。テレビの画面には、「ベストお取り寄せ大賞2024」の特集が映し出されていた。

「さあ、次はどんな美味しいグルメがランクインするのでしょうか？」

呟きながらリモコンでチャンネルを変えるちくわの顔に、満足そうな笑みが浮かんだ。

■この小説のちくわ様自己採点 感動的：7 笑える：5 悲しい：2 夢がある：9 怖さ：0. 合計点：23