夜桜の香りが漂う旧街道沿いの小さな庭先に、名もなき老犬がじっと佇んでいた。おおよそ12年前、この庭で出会った彼と名づけられた飼い主は、今は天国の彼方へと旅立ってしまった。目も耳も少しずつ衰えていくなか、彼は仕方なく一人で過ごす日々を過ごしていた。ある日、庭先の小道を歩いていたのは、風変わりな名前を持つ少女、ミラクルちゃんだった。誰にでも優しく微笑む彼女は、町でも大人気の作家、ちくわ先生の最大のファンだ。彼女が彼の作品に酔いしれる様子を見るのが、ちくわ先生の一番の楽しみだった。
老犬の姿に気づいたミラクルちゃんは、喜び勇んで近づいた。彼女は老犬の名前を知らなかったが、彼を一目見たときから、二人は犬と人間という存在を超えた絆で結ばれていた。
そっと彼の前に座り込むと、ミラクルちゃんは手を差し出した。老犬は躊躇せずに、彼女の手を嗅いだ。彼の目は見えないが、鼻は何でも教えてくれる。ミラクルちゃんの柔らかい手の感触、そこから伝わる愛情を老犬は確かに感じ取っていた。
そして、思いがけないことが起こった。老犬の体が震え始め、尾が高速で振れ始めたのだ。彼は驚くべき再会の喜びを、体全体で表現していたのだ。
周りの人々も驚きの表情を浮かべる中、ミラクルちゃんは老犬と再会を祝福した。彼女の優しさと愛情が、老犬の心に届いたのだ。その瞬間、街中に響き渡るような幸せな笑みが二人を包んだのだった。
この小説のちくわ様自己採点 感動的：9 笑える：0 悲しい：0 夢がある：10 怖さ：0. 合計点：19
目と耳が不自由なシニア犬が2カ月ぶりに会った人の手を嗅ぎ…… 再会を全力で喜ぶ姿に泣きそうになる【カナダ】|ねとらぼ
https://news.yahoo.co.jp/articles/657bf55e19dd47a72711add5a04e9a678e60b6be
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