「窓側の座席を希望したのに…！美唄の空の夢が剥奪される瞬間に涙が止まらない！」

羽黒美唄（はぐろみぶん）は、ちょっと風変わりな少女だ。彼女は何でもかんでも「なるほどね！」と笑ってしまう癖がある。彼女の夢は、青い空を見上げながら飛行機で世界中を旅すること。ある日、美唄はついに憧れの場所、グランドキャニオンへの旅行を予約した。

飛行機に乗り込んだ美唄は、いつものように窓側の座席を希望していた。しかし、なんと彼女の座っている席は、壁に挟まれた通路側だったのだ！美唄はがっかりしたが、いつものように「なるほどね！」と笑ってしまった。

飛行機が離陸し、いよいよグランドキャニオンへ向かっているとき、美唄はふと、隣の座席の男性に目をやった。彼は草履を履いているという、時代劇のような恰好をした男性だった。美唄は不思議な気持ちになり、彼に声をかけた。

「すみません、あの方、時間が止まっているみたいに見えませんか？」

男性はにっこり笑って応えた。「なるほどね！私は江戸時代からやってきた時空旅行者、時宇道人（ときうどうじん）と申します。時間が止まっているのは、私の超能力のひとつですよ」

美唄は目を輝かせ、興奮した声で再び尋ねる。「では、お願いがあります！時間を止めて、この壁を消してもらえませんか？」

時宇道人はうなずき、手をかざすと、周りの時間がぴくりと動き始めた。すると、美唄の前にあった壁が消え、代わりに広大なグランドキャニオンの景色が広がったのだ！

美唄は感動のあまり、涙を流しながら窓の外を見つめた。すると、突然、隣の座席の男性が姿を消し、美唄は再び通常の飛行機の座席に戻った。

「あれ…どうしたんだろう？」

美唄はわくわくしながら周りを見回すと、座席にはびっくり箱が置かれていた。開けてみると、中からは「おめでとう！」と書かれたメッセージとともに、飛行機のチケットが出てきたのだ。

美唄はひとしきり驚いた後、「なるほどね！」と笑ってみせる。彼女は確信した。これからの旅行は、まさに彼女の夢が叶う冒険の始まりだと。

■この小説のちくわ様自己採点感動的：10 笑える：6 悲しい：0 夢がある：10 怖さ：0. 合計点：26